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(2010年7月29日01時08分 読売新聞社説)
日韓関係に波風を立てたくない、という無責任な事なかれ主義であり、今後に禍根を残すと言わざるを得ない。
政府が、30日に予定していた2010年版防衛白書の閣議了承を9月に延期した。
仙谷官房長官は、延期の理由について、韓国の哨戒艦沈没事件に関する国連の動きや、防衛大綱見直しの報告書などを新たに記載することなどを挙げた。到底、納得できる説明ではない。
本来、こうした動きをいちいち追加する必要性はない。既に約940万円をかけて、1万4000部以上を印刷した白書の公表を延期する理由として不十分だ。
政府関係者によると、本当の理由は韓国側への配慮だとされる。防衛白書は例年、竹島を「わが国固有の領土」と明記している。今年は8月29日に日韓併合条約発効100年を控えており、反日感情を刺激したくなかったという。
だが、政府の白書が、竹島は日本固有の領土という政府見解を盛り込むのは当然のことだ。
竹島の領有権を主張する韓国側は毎年、抗議しているが、日韓関係を損なうほどではなかった。日韓併合100年を前に、反日感情の高まりを懸念する向きもあるものの、現時点で、そんな動きは表面化していない。
政府は、例年通り、白書を淡々と公表すべきだった。
公表直前に異例の形で延期し、姑息(こそく)な説明を加えたことで、かえって竹島問題が注目を集めてしまい、日韓関係にも逆効果ではないか。菅政権の判断ミスである。
防衛、外務両省は、白書を予定通り公表するよう主張していた。前原国土交通相と長島昭久防衛政務官が先週韓国を訪問した際、一部の関係者から配慮を求められた。その報告を受けた菅首相と仙谷長官が延期を決めたという。
米軍普天間飛行場移設問題などで露呈した民主党政権の「悪(あ)しき政治主導」の典型例と言える。
民主党政権は昨年12月にも、新学習指導要領の高校地理の解説書で竹島問題への言及を見送っている。このように、言うべきことを言わない対応を続けては、日本は国の根幹にかかわる問題でも譲歩すると見られかねない。
竹島は、歴史的にも国際法上も日本の領土である。韓国は、日本にとって重要な隣国だが、領土問題で安易な妥協は禁物だ。
領土問題で主張が異なっても、2国間関係をきちんと維持することは十分可能なはずであり、そうした外交こそ追求すべきだ。(2010年7月29日01時08分 読売新聞)
死刑執行 やっと法相の責任を果たした
(2010年7月29日01時08分 読売新聞社説)
民主党政権になってから初めて、2人に死刑が執行された。昨年7月に3人の執行があって以来1年ぶりになる。
千葉法相はかつて「死刑廃止を推進する議員連盟」のメンバーだった。昨年9月の就任以降、死刑執行に対する法相としての姿勢を明確にしないまま執行ゼロの状態が続いていた。この結果、死刑確定者は109人と、過去最高の水準にまで増えていた。
刑事訴訟法は、死刑確定から6か月以内に刑を執行しなければならないと定めている。法相の考え方や信条によって、執行のペースが左右されるとすれば、法治国家として異常な事態である。
先の参院選で落選した千葉法相が、民間人として続投することには批判も出ていた。この時期、突然の執行に踏み切った真意をいぶかる声もあるが、法に基づく執行は、法相として当然の責務だ。
内閣府が今年2月に公表した世論調査では、死刑容認派が過去最高の85・6%を占めた。被害者や遺族の感情に配慮する意見や、凶悪犯罪の抑止力になることを期待する意見が多かった。
世界的には欧州を中心に、死刑を廃止か停止している国の方が維持している国よりも多い。だが日本では、国民の大多数が死刑を容認している現実を踏まえ、その声を尊重する必要があろう。
法相は自ら希望して、拘置所で2人の刑の執行に立ち会った。記者会見では「見届ける責任があると思った」と述べた。法務行政の最高責任者が執行に立ち会うのは、初めてのことだという。
法相はまた、死刑制度のあり方について、省内で本格的な議論を始める方針を明らかにした。
昨年から裁判員裁判が始まっており、いずれ裁判員が裁判で死刑の選択を迫られる日も来る。
国民が責任の一端を担う以上、死刑制度の議論を深めること自体には意味があろう。だが、最初から廃止や停止の結論ありきでは、国民の理解は得られまい。
死刑に関する情報の公開も欠かせない。法相が東京拘置所の刑場を報道陣に公開する方針を示したことは前進と言える。
これまで法務省は、死刑について徹底した「秘密主義」を貫いてきた。執行した死刑囚の氏名まで公表するようになったのは2007年以降である。
刑場の構造、執行の方法、死刑囚の生活――。そういった情報が提供されることが、国民一人ひとりが死刑制度を考えるきっかけになるだろう。(2010年7月29日01時08分 読売新聞)
(2010年7月25日01時16分 読売新聞)
【ハノイ=宮井寿光】岡田外相は24日、ハノイでベトナムのキエム副首相兼外相と会談し、外務、防衛当局の次官・局長級による定期協議「日越戦略的パートナーシップ対話」を近く開催することで合意した。南シナ海や東シナ海で活発な動きをみせる中国について情報交換するとみられる。
ベトナム国会が日本の新幹線方式を採用した高速鉄道計画を否決したことに関しては、岡田氏は、新幹線方式の早期決定を要望した。キエム氏は「引き続き協力を進めたい。国会も計画をやらないと言っているのではない」と述べた。
関連記事
| ・6月6日読売朝刊7面「米中の対立激化、ゲーツ国防長官『他国船舶を威圧』」 |
| ・6月5日朝日夕刊8面「軍事交流途絶、中国側を批判」 |
| ・7月2日毎日朝刊4面「自衛隊医療支援、診療人数4478人」 |
| ・7月14日日経朝刊6面「東アジアサミット、『米ロ加え18カ国に』」 |
(2010年6月29日23時56分 読売新聞)
【ワシントン=本間圭一】米国が28日発表したロシア・スパイ拘束事件は、関係強化に動く米露の間で、「冷戦時代のスパイ小説」(米ABCテレビ)さながらの諜報(ちょうほう)活動がなお続いている現実を映し出した。
「米国には長期派遣。教育、銀行口座、車、家を与えるのは、任務の完全遂行のため。米国の政策立案者を調べ、関係を築き、情報を送れ」
ロシア対外情報局(SVR、旧KGB)が、今回拘束されたスパイにあてた秘密のメッセージだ。司法省の資料などによると、スパイは偽造パスポートなどで1990年代半ば以降から米国に住んでいた。家庭生活を営み、子供も育て、近所付き合いもしながら、SVRからの連絡を待つ男女のスパイもいた。
SVRの指示は具体的だったようだ。2009年のオバマ大統領訪露前には、米国の核兵器削減方針や対イラン政策の情報などを要求。スパイはこうした指示に従い、米国家安全保障会議(NSC)の元高官らと接触することもあった。ボストンのスパイが2004年、核施設勤務者と接触し、地中貫通爆弾「バンカーバスター」の情報を収集した例もあったという。
情報伝達では、文書や写真などに暗号を埋め込む手法のほか、スパイとロシア政府関係者がノート型パソコンで無線通信する手法が、今月5日にワシントンのレストランで確認された。報酬受け渡しも小説さながら。あるスパイは南米で、1万ドル(約90万円)入りのバッグを八つ受け取った。公園のベンチに座ったロシア諜報員が、隣に座ったスパイにバッグを渡した例のほか、報酬を地中に埋め、それを別の人物が掘り起こすケースもあった。
米当局もまた、隠しマイクや隠しカメラ、電子メールや電話の傍受などを駆使して捜査を進めた。
◆露が非難声明
【モスクワ=貞広貴志】米国で男女10人がロシア当局のスパイとして拘束された問題で、露外務省は29日、「(米司法省の)措置には根拠がなく、不適切な目的を目指したものだ」と非難する声明を発表した。
声明はさらに、過去にも両国関係が改善しつつある時に、同様の事件が起きたと指摘。米露関係の改善を望まない米政府内勢力による陰謀との見方を示唆した。
(2010年6月29日22時23分 読売新聞)
【カイロ=長谷川由紀】キプロスからの報道によると、同国警察当局は29日、米司法省がロシアのスパイ10人を拘束した事件に関連して、カナダ人の男(54)を逮捕した。
男はキプロスのラルナカ空港からブダペスト行き旅客機に乗ろうとしたところを捕まった。
米司法省は28日の発表で、なお1人の行方を追っているとしていた。
(2010年6月29日11時23分 読売新聞)
【ワシントン=本間圭一】米司法省は28日、ロシアのスパイとして核開発計画などの情報収集を行っていたとして、男女10人を拘束し、1人の行方を追っていると発表した。
連邦捜査局(FBI)の内偵捜査で、ロシア対外情報局(SVR、旧KGB)のスパイと判明した。
発表などによると、10人は27日、自宅のあるニューヨークやボストンなど複数の都市で一斉拘束された。パスポートを偽造し、数年前から米国に居住。元米政府高官らに接触を図っていた。10人の中にはカップルを装い、子供をもうけている男女もいた。
軍事・外交をめぐる情報を集め、文書や写真などに暗号を埋め込む「ステガノグラフィー」などの手法で仲介人を通じてSVRに供給。南米で報酬の受け渡しを行ったこともあったという。
「宮崎正弘の国際ニュース・早読み」 平成22年(2010)6月15日(火曜日) 通巻2994号 <6月14日発行>
アフガニスタンで大異変――オピゥムからリチュームへ
すさまじい希少金属の鉱脈を米国特別チームが発見していた
「リチュームでアフガニスタンはサウジアラビア級の大資源立国となる」とNYタイムズが特筆した(2010年6月14日付け)。
この驚天動地のニュースは、じつは三年前から米国の知識学者がしらべあげ、ペンタゴンが内密に確認作業をおこなって、ゲーツ国防長官がカブールを訪問した際、カルザイ大統領に耳打ちしている。
つまり、この情報は本物であり、しかも詳細な機密データはすでに中国にも漏れている可能性がある。というのも中国は既にほかの鉱山を物色し始めているからだ。
あのアフガニスタンが現代テクノロジーに絶対欠かせないレアアース、希少金属などの宝庫だったわけで、オピゥム(麻薬)からリチュームへと言われる所以である。
リチュームの埋蔵はボリビアのそれに匹敵し、さらにはレアアース系のニオビウムも埋蔵が確認された。ただしパシュトンが支配する南部など有力鉱山は殆どがタリバンの支配地域にある。情報が秘密扱いされてきたのも、このデータが漏れれば、むしろタリバンを鼓舞することになるからである。
35年もの長きにわたって戦争をつづけてきたアフガニスタンは自国の宝物に気がつかなかった。
およそ2400年前、アレキサンダー大王がカイバル峠を越えた折、カブールの南にアイナメの山脈が光ることを発見したという記録がある。
アイナメ鉱山の開発は欧米メジャーをさしおいて中国が落札し、米軍が訓練し、日本が給料を出すアフガン警察によって守られ、とうに中国は開発を始めているが、欧米から非難の合唱を浴びたのは、欧米が戦争をやっている場所で、よくもしゃあしゃあとビジネスに専心できるな、というエコノミックアニマル批判ばかりではなく、鉱区を取得するためにアフガニスタンの鉱山大臣に3000万ドルの賄賂をおくっていたことがばれたからだ。
▲一兆ドルを超えるレアメタルの埋蔵が確認されたが、いずれもタリバン支配地域
さて米国は、こうした埋蔵をいかに確認したのか。
アイナメ銅山はソ連占領時代、すでにソ連の知識学者が膨大な銅のほか鉄鉱石、金、コバルトの埋蔵を確認していた。
中国はその頃から、この鉱山開発をねらっていた。
米国は2006年からP3オライオン機に最新の磁気探査設備などを積み込み、空からの調査を開始し、翌年までにほぼアフガン国土の七割を調べ上げた。
その結果、あまりの埋蔵量に驚き、地上探査チームを編成して実際に埋蔵地域を調べた。
米国最高ランクの知識学者が総動員され、ハイテク機材、測量機器などが大々的に現地に運び込まれて専門探査をつづけた。調査は軍がまもった。
09年、イラクに派遣されていたペンタゴンのビジネス開発チームがバグダッドからカブールへ回された。
イラクの原油、ガスの埋蔵地調査がほぼ完了したからだ。
このペンタゴン特別チームが精密に査定して報告祖を国防長官に上程したのは、つい三ケ月ほど前の出来事と言われ、とくにリチュームはアフガニスタン西部の塩湖付近が最大の埋蔵地と特定された。
ペンタゴン報告書は「リチュームのサウジアラビア」と比喩し、埋蔵は一兆ドルを超えるだろう、と予測している。
米国も、沖縄も、連立与党も納得する米軍普天間飛行場の移設先は見当たらない。鳩山首相は、5月の問題決着を約束した以上、もはや八方美人のままでは済まされない。
政府・与党による移設先の選定作業が難航している。国民新党は沖縄県名護市の米軍キャンプ・シュワブ陸上部への移設案などを提示したが、社民党が依然として、県外・国外移設を主張しており、調整が進んでいない。
こうした事態は、鳩山首相が社民党との連立政権の維持を優先して、昨年末の決着を断念した時点から十分予想されていた。さらに事態は悪化している。
1月の名護市長選で、移設受け入れに反対する新人が当選した。今月24日には、沖縄県議会が県外・国外移設を求める意見書を全会一致で採択した。県内移設を容認していた仲井真弘多県知事も「県外移設がベスト」と言い始めた。
これもまた、オバマ米大統領が昨年11月の日米首脳会談で「時間がたてば、より解決が困難になる」と指摘していた通りの展開だ。(以下省略) (2010年2月28日01時14分 読売新聞)
米海兵隊幹部「移設に4条件」…作戦効率確保など (2010年2月18日02時06分 読売新聞)
ーースタルダー司令官が条件に挙げたのは、〈1〉作戦効率の確保〈2〉地元利益〈3〉安全性〈4〉暫定策でなく永続的な解決策の4点。
普天間迷走、移設先候補地は軒並み反発 (21
:30
) (2010年2月17日21時30分 読売新聞)
米 ミサイル迎撃実験に成功
空中レーザー発射試験機の弾道ミサイル撃墜試験初成功 米国防総省
NHK 2010年2月13日 11時32分
アメリカ国防総省は、飛行中の航空機から強力なレーザー光線を発射して弾道ミサイルを破壊する実験に成功したと発表し、弾道ミサイルの開発や配備を続ける北朝鮮やイランをけん制するねらいがあるものとみられています。
これは、アメリカ国防総省のミサイル防衛局が12日、発表したものです。それによりますと、カリフォルニア州の沖合で、現地時間の11日夜、飛行中の航空機から強力なレーザー光線を発射し、弾道ミサイルを破壊する実験に成功したということです。
実験では、海上に組み立てたミサイル発射施設から、液体燃料を積んだ短距離弾道ミサイルを敵の攻撃に見立てて発射し、それを、ボーイング747型航空機の機首に備え付けた装置からレーザー光線を発射して破壊しました。
ミサイル防衛局によりますと、こうした実験に成功したのは、これが初めてだということです。国防総省としては、こうした実験を通してミサイルに対する最新の迎撃能力を内外に誇示することで、弾道ミサイルの開発や配備を続ける北朝鮮や中国、イランをけん制するねらいもあるものとみられています。
(参考):エアボーン・レーザー・ミサイル防衛システムについては「NDOC」の左欄中の「U.S.A.」をクリックし、「ミサイル防衛」をクリックしていただくと、参考資料ヲご覧になれます。
Asahi.com - 2010年2月4日11時25分
【ワシントン=村山祐介】オバマ米大統領は3日、北朝鮮の「テロ支援国家」への再指定を見送ることを盛り込んだ機密扱いの報告書を米議会の上下両院議長に送った。昨年5月の北朝鮮による2回目の核実験を受け、再指定が検討されてきたが、報告書は「再指定のための法的要件を満たしていない」と結論づけた。
北朝鮮のテロ支援国家指定はブッシュ前政権が2008年10月、6者協議での北朝鮮による核計画の申告や検証への協力を理由に解除していた。
ホワイトハウスの発表によると、北朝鮮が実際に申告した08年6月26日から09年11月16日までを対象に北朝鮮の行動を精査した。北朝鮮は09年4月に長距離弾道ミサイルを発射し、5月には核実験に踏み切ったが、国際的なテロを支援したと断定できる具体的な証拠は得られなかったとみられる。
再指定については、核実験後の昨年6月、米共和党の上院議員8人がクリントン国務長官あてに書簡で要求。国務省が調査を始めると共に、同長官が「解除の目的を、北朝鮮がとった行動が妨げている」と語るなど、前向きともとれる姿勢を示していた。
解除に反対してきた日本政府も、北朝鮮による拉致問題などを理由に改めて「再指定が必要」として期待感を示していた。
Asahi.com - 2010年2月2日12時45分
【ワシントン=伊藤宏】米国防総省は1日に公表した2011会計年度(10年10月〜11年9月)の国防予算案に、在日米軍再編の柱となる在沖縄海兵隊のグアム移転費として約4億2700万ドル(約388億円)を計上した。前年度と比べて約7400万ドル(約67億円)の増額。
グアム移転費をめぐっては、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の移設問題で日米政府間の意見がまとまらないことが影響して減額される可能性も指摘されていた。だが、鳩山由紀夫首相が普天間移設について5月末までに結論を出すと明言した上、米政府としても「現行計画の早期履行」を主張していることから、当面はこれまで通り計画を実行する姿勢を示したものといえる。
ただ、鳩山政権の対応次第では、議会審議の段階で、予算が減額される可能性も残されている。
Asahi.com - 2010年2月2日12時42分
【ワシントン=村山祐介】米国防総省は1日、初の弾道ミサイル防衛(MD)見直し報告書を発表した。共に弾道ミサイル開発を進める北朝鮮とイランを、米本土と世界の各地域の双方に対する脅威と位置づける一方、中国やロシアとの協力強化を提唱した。日本と進めてきた協力を「極めて優れた例」と評価した。
報告書は、弾道ミサイルによる脅威が「量的にも質的にも増しており、次の10年間も継続する」と分析。なかでも北朝鮮については、昨年4月の長距離弾道ミサイル「テポドン2」の打ち上げは失敗に終わったものの、「多くの関連技術の試験に成功した」と指摘。国家としての政策に大きな変更がない限り「いずれ核弾頭を搭載できるようになる」と分析した。
報告書は米のMD能力について、北朝鮮やイランからの米本土防衛については「当面は対処できる」とする一方、ロシアや中国に対処できるものではないと指摘。ロシアとは早期警戒情報の共有や技術協力を、中国とはMDを含む戦略分野での対話を進める方針を明記した。
日本については、イージス艦搭載迎撃ミサイルSM3の次世代型(ブロック2A)の共同開発を例に取り上げ、「地域安全保障を強化するための、運用面での協力を象徴している」と評価した。
Asahi.com - 2010年2月2日12時27分
【ワシントン=伊藤宏】米オバマ政権が発表した「4年ごとの国防政策見直し」(QDR)は、日本との同盟関係を高く評価するとともに、米軍普天間飛行場の移設計画を含む在日米軍再編の必要性も明記した。現行の再編計画を世界戦略の一環に位置づけた米側に対し、日本政府がどう応じるのかを改めて問う内容といえそうだ。
QDRは「米国は安定した国際社会の体制を一国では維持できない」と指摘。主要国との関係を強化し、責任を分かち合う姿勢を明確にした。
特にアジアでは「歴史的な同盟関係」を基盤と位置づけた。日本は韓国と並び、筆頭に挙げられた。
米国は在日米軍基地を、東南アジアから中東にかけての国際テロ組織の温床を視野に入れた前方展開のための戦略的拠点として重視している。加えて、今回のQDRでは、中国の軍事力増強に警戒感を強める内容になっており、その意味でも、日本の重要性が増している。
QDRでは、在日米軍再編計画の実行が「在日米軍の長期的な駐留」と「地域の安全保障活動の拠点としてのグアム(の存在)」の双方を確かなものにすると明記。米側が、現行の再編計画を、中長期的な抑止力の維持と強化の視点から重視していることを改めて明確にした。
日本政府は、先月の沖縄県名護市長選で現行計画に反対する候補が当選したこともあり、地元の負担軽減に配慮する必要に迫られている。そうした日米双方の立場の違いが改めて浮かび上がった形だ。
米オバマ政権、対シナ政策を大きく転換!【藤井厳喜】投稿者:N.Hoshuyama 投稿日:2010年 1月31日(日)11時15分9秒 |
| ★【藤井厳喜】Google事件を引き金に、米中対立時代到来![H22/ 1/26] http://www.youtube.com/watch?v=6HDv0bBcmyo オバマ政権の対シナ政策の転換が非常にハッキリした形で表れてきた。この事に私自身が明確に気がついたのは、昨年12月下旬だったが、この事は私が発行しているケンブリッジ・フォーキャスト・レポート1月号で詳しく指摘しておいた。しかし、さらにその直後にこの動きがより明白になったので、改めてフォローしておきたい。 第一段階では、米グーグル社がシナの検索市場のマーケットから検討している事を発表した。 第二段階では、1月21日、クリントン米国務長官が、このグーグルを支持し、シナのNET上の検閲を明確な言葉で批難した。 これに続いて1月26日までに、オバマ政権が兼ねて課題となっていたハイテク兵器の台湾への売却を正式に決定し、これを米議会に通告した。この売却には、パトリオット・ミサイル(PAC3)や、多目的軍事ヘリコプター・ブラック・ホークも含まれる。かねて、シナ共産党政権が、アメリカに強力に反対してきた武器の売却である。 アメリカと台湾では、売却契約が成立していたものの、シナ政府からの圧力で、売却が延期されてきたものである。この最終的な引き渡しを、オバマ政権が決定したのである。 付随した最近の変化としては、オバマ政権が核兵器の先制不使用を宣言しようとしていたが、これが政権内の慎重論により、実現しなかったという事もあげられる。一言でいえば、米オバマ政権の対シナ政策は、融和と強調一辺倒から、対話は協調しつつも対決的方向へ、大きく舵を切ったのである。 台湾に関しては、台湾の独立を事実上、支持してゆく方向に大きく転換しつつある。日本の国益にもかなう、アメリカの対シナ外交政策の転換である。シナ政権は、このアメリカの決定を「台湾海峡の平和と安定を損なう」「米中関係の悪化を招く」等と批難しているが、全く事実無根である。 これらの兵器を台湾が手にしたところで、台湾がシナに攻撃をしかけるはずもなく、これらの兵器の目的は純粋に防衛的なものである。また、しいて言えば、「米中関係が悪化」するのは、アメリカの為にも日本の為にもアジアの平和と安定の為にも良い事である。 何故なら、シナ政府が言うところの、良好な米中関係とは、「アメリカがシナの望むとおりに行動する」という事に他ならない。つまり、シナの帝国主義的・膨張主義的政策をアメリカが黙認し、これを承認し、これに順応するという事を意味しているに過ぎない。 つまりシナ政府の観点からして、「米中関係が悪化」するのは、自由なアジアの発展と、アジアの平和を望む我々日本人の立場からすれば、良い事なのである。つまり自由アジアの防衛とアジアの平和と安定の為に、「米中関係は悪化」した方がプラスなのである。 アメリカの台湾への今回の武器売却が、シナ政府の言うのとは全く逆に、台湾海峡の平和と安定をもたらす事は確実である。 オバマ政権が何故このような方向転換をしたかについては、後日、改めて詳しく解説したい。 この米中関係の望ましい変化と並行して、日米関係も大局的に見ればよい方向に動いている。別の言い方をすれば、アメリカからすれば、日米関係を破壊する、日本の民主党政権への圧力は強まっている。 ★ 【 Cambridge Forcust Group of Japan.Co 藤井厳喜チャンネル】 http://www.youtube.com/user/zingrace1213 (登録自由) |
鳩山内閣の政権運営を難しくしているのが「3K」とされる。
「景気」「基地」、そして「献金」である。
先の二つ、とりわけ米軍普天間飛行場移設問題の混迷は、鳩山政権の失政によるところが大きい。鳩山首相の偽装献金問題は、首相自身の政治姿勢そのものが問われている。
3Kを乗り越えられるか。それは、鳩山政権の命運がかかるだけでなく、日本の将来にも影響する重要な政治テーマである。
◆予算の成立を急げ◆
日本経済は今、厳しい雇用状況とデフレにあえいでいる。国内景気が一段と悪化して二番底をつけることへの懸念は根強い。
首相は年頭の記者会見で、「政権交代を実現したが、これからがスタート。正念場の1年と覚悟を決めている」と述べて、今年度補正予算案と来年度予算案の早期成立に意欲を示した。
予算の成立が遅れれば、景気の足をさらに引っ張ることになる。問題の多い予算ではあるが、早期に成立させる必要がある。
18日に召集される予定の通常国会では、与野党の激突が予想される。
自民党など野党各党は、首相の元秘書2人が在宅・略式起訴された政治資金規正法違反事件などで鳩山政権を厳しく追及する姿勢をみせているからだ。
首相は、実母からの巨額な資金提供について「まったく承知していなかった」と繰り返している。こんな説明では、国民の納得は到底得られまい。
資金の使途に関し、首相は年頭会見で「私がどこまで把握できるかということはあるが、それなりの説明は行いたい」と述べた。
◆献金問題で説明尽くせ◆
首相は責任を持って使途の全容を明らかにする必要がある。首相の説明が尽くされなければ、野党が要求する元秘書や鳩山家の資産管理団体代表らの国会招致も避けられまい。
小沢民主党幹事長の資金管理団体「陸山会」をめぐる違法献金問題は、土地の購入代金との関連が焦点となっている。
東京地検は、小沢氏の元秘書で、陸山会の事務担当者だった石川知裕民主党衆院議員に対する事情聴取を行った。検察の捜査とは別に、国会の場でも解明を進めることが求められよう。
一方、普天間問題では、首相は「無駄に時間を浪費するつもりはない。期限を切って結論を出す」として、5月までに決着させる考えを強調している。
日米関係への悪影響を最小限に食い止めるためにも、これ以上の遅延は許されない。
自民党も、現行計画による移設を政府が決断するよう強く促し、協力すべきだ。政治とカネの問題が重要だとしても、審議拒否といった戦術で、予算の成立を遅らせることがあってはならない。
今夏は参院選が行われる。
民主党は、2007年選挙の獲得議席と同じ60議席を確保すると単独過半数に届く。これが実現すれば、民主党は衆参両院で単独過半数を確保することになる。
仮に単独過半数を獲得した場合であっても、民主党は社民党、国民新党との連立政権を継続するとしている。
しかし、普天間問題などで主張が異なる社民党との連立を維持することが、外交や安全保障の政策遂行に大きな障害となっていることは明らかである。
民主党はこの点を踏まえた政権戦略の再構築が欠かせない。
◆マニフェスト見直しを◆
参院選に向けた公約作りも重要となる。
民主党は昨年の総選挙で、国の予算を徹底的に効率化し、マニフェスト(政権公約)に掲げた重要施策に必要な来年度の財源7・1兆円を生み出すと公約した。
だが、予算編成作業では無駄減らしが思うように進まず、財源の工面で苦しんだ。ガソリン税などの暫定税率廃止の撤回など、公約の一部を修正してもなお財源を確保できず、新規国債発行は44兆円を超えた。
マニフェストに拘泥すれば、11年度予算では、子ども手当だけでも10年度を大幅に上回る5・5兆円の財源が必要になる。安易に国債に頼れば財政は持たない。
鳩山首相は記者会見で、公約を一部修正したことを踏まえ、参院選向けのマニフェストでは「何らかの修正が必要だ」と言う。
当然な対応だろう。安易な大衆迎合に陥らず、現実に即した公約作りを進めてもらいたい。
通常国会では、景気、普天間問題、政治とカネの問題以外にも、少子高齢化対策、気候変動問題など論点は多い。
参院選を控えて、建設的な論戦を展開することが、各政党に課せられた責務である。(2010年1月6日01時14分 読売新聞)
日米両国は今年、安全保障条約改定50周年という節目の年を迎えた。ところが、日米関係は前例のないほど危うい局面に差しかかっている。皮肉かつ不幸な事態である。
北朝鮮の核・ミサイルの脅威や中国の急速な軍備増強――。日本の置かれた安全保障環境は相変わらず厳しい。地球温暖化やエネルギー、軍縮など、地球規模の課題の重要性も増している。
一連の課題に効果的に対処し、アジアと世界の平和と繁栄を確保する。そして、日本の国益を守る。そのためには、やはり強固な日米関係が欠かせない。
◆「普天間」解決が急務だ◆
鳩山政権は、重大な覚悟で、日米間の不信を解消し、同盟関係を再構築しなければなるまい。
当面の急務は無論、米軍普天間飛行場の移設問題の解決だ。
鳩山首相は、沖縄県名護市に移設する現行計画を見直し、別の移設先を模索する意向を示した。
だが、その作業と並行して、1996年の普天間飛行場返還合意以降の経緯を冷静に再検証すべきだ。そうすれば、米側の主張通り、現行計画が「唯一、実現可能な選択肢」であることが分かるはずだ。
今月24日には名護市長選が予定される。仮に現行計画を容認する現職が敗れれば、計画の実現がより困難になろう。
首相が、日米同盟と地元負担軽減の両立を本気で考えるなら、新たな移設先が見つからない場合に備えて、現行計画を進める選択肢を確保しておく必要がある。
鳩山外交の最大の問題点は「日米同盟が基軸」と言いながら、何ら行動が伴っていないことだ。その根本的な原因は、同盟の根幹である米軍の日本駐留の意義を、首相や関係閣僚が十分に理解し、共有していないことにある。
首相はかつて、米軍が平時は自国にとどまり、有事にだけ日本に前方展開するという「常時駐留なき安保」構想を掲げていた。
だが、米軍は常に日本に駐留してこそ、有事への抑止力や即応能力を発揮できる。仮に在日米軍を大幅に削減する場合、その「力の空白」を誰がどう埋めるのか。
在日米軍の存在は、日本防衛だけでなく、アジア全体の平和と安定に「国際公共財」として貢献している。韓国や東南アジア各国が今の日米同盟の揺らぎを心配しているのは、その証左だ。
11月には、横浜でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)首脳会議に出席するため、オバマ大統領が来日する。
安全保障だけでなく、政治、経済、文化の分野にも及ぶ日米同盟全体を深化させる作業を早期に開始し、具体的成果につなげたい。
◆中韓と戦略的連携図れ◆
日米同盟の強化は本来、鳩山首相の掲げる「アジア重視」や、長期的目標である「東アジア共同体」構想と何ら矛盾しない。米国か、アジアか、といった二元論に陥る愚は避けるべきだ。
様々な分野で影響力を増す中国とは、首脳や閣僚間の対話を継続し、戦略的互恵関係をより実質的なものに高める努力が大切だ。
東シナ海のガス田問題は2008年6月に日中共同開発に合意しながら、具体的な進展が一切ない。北朝鮮の核や地球温暖化の問題を含め、中国が大国として責任ある行動を取るよう、粘り強く働きかけることが重要となる。
今年は、日韓併合から100年でもある。歴史問題が再燃しないように、両政府には、注意深い対応が求められる。
李明博政権の発足以来、日韓関係は安定している。その流れをより確かなものにするため、政治や安全保障に関する未来志向の共同文書を作成してはどうか。
「テロとの戦い」の一環としてインド洋で給油活動に従事していた海上自衛隊の艦船は、今月15日の特別措置法期限切れに伴って活動を終了し、撤収する。
◆自衛隊の恒久法制定を◆
政府は、アフガニスタンに対する資金支援に重点を移すという。だが、日本の人的貢献がなくなることは、国際協調行動からの離脱と解されかねない。国際社会における日本の存在感も弱まろう。
日本の国連平和維持活動(PKO)派遣人員は昨年10月末時点で39人、世界84位にすぎない。主要8か国(G8)で最も少ない。
世界の平和と安全の確保は、通商国家・日本の存立基盤だ。
年末に予定される「防衛計画の大綱」の改定では、より積極的に国際平和協力活動に参加する方針と、それに応じた部隊編成や装備導入を打ち出す必要がある。
より迅速な部隊派遣を可能にするには、自衛隊の海外派遣に関する恒久法の制定が欠かせない。民主党は野党時代から恒久法に前向きだった。野党の自民党とも連携し、超党派で実現すべきだ。
日本経済は、金融危機と世界不況の嵐をひとまず乗り切ったが、今度はデフレの冷たい霧に包まれてしまった。中長期的には、少子高齢化や人口減少による経済規模の縮小という難題も控えている。
安定成長の軌道に乗るか、それともデフレの圧力に屈して下り坂に迷い込むか。日本経済は岐路に立っている。政府・日銀は、政策を総動員してデフレを克服し、活路を開かねばならない。
◆格安競争に潜むワナ◆
政府は、2001年3月にデフレを認定した後、脱却宣言を出せないまま、昨年11月に再認定した。実際には、銀行破綻(はたん)が相次いだ金融不況から約10年、慢性デフレに沈んだままと言っていい。
とりわけ最近は、スーパーや量販店に1000円を切るジーンズが並び、飲料や持ち帰り弁当、牛丼チェーンなど食料品にも“格安戦線”が急拡大している。
消費者はできるだけ安く買いたいと考え、企業は売り上げ回復のため値下げする。それぞれにとっては合理的な行動が、デフレを悪化させる要因となる。
値下げ競争が激しくなると、企業は採算が悪化して利益が減る。このため、リストラや給与カットが広がり、さらに消費を冷やす悪循環が起きる。
経済統計を見ると、消費者物価の大幅な下落が続く一方で、労働者の月給はここ1年半、前年より減り続けている。
物価は安くなっても、それ以上に給料が下がり、リストラや倒産で多くの人が職を失う……。そんな「デフレスパイラル」が起き始めていないか、警戒が必要だ。
◆需要は35兆円足りない◆
デフレには、需要不足、金融収縮、通貨高の3大原因があり、今回は日本経済全体で35兆円もある需要不足が主因と見られる。
一昨年からの世界同時不況で海外需要が急減し、輸出企業を中心に、大幅な減産と雇用カットが加速した。輸出はアジア向けを中心に回復してきたが、ショック前のピークの7割ほどしかない。
設備や従業員を追加してまで増産する企業は少数派で、設備投資と雇用は回復が遅れている。新卒者の就職内定率は高校、大学とも記録的に落ち込み、就職氷河期の再来も心配だ。
過度の円高は、輸出産業を追い込み、輸入品の価格下落でデフレを悪化させる。政府は、市場介入をためらうべきではない。
持ち直してきた景気も、今年は景気対策の効果が薄れ、腰折れする懸念がある。当面は景気浮揚に即効性のある公共事業などでテコ入れを続けるべきだろう。
だが鳩山内閣は、「コンクリートから人へ」の政権公約にこだわり、来年度予算の公共事業を大幅に削った。これは、基幹産業が乏しい地方には特に打撃となる。
鳩山内閣は、子ども手当などの家計支援で、内需を刺激するとしている。だが、家計へのばらまきは貯蓄に回り、消費されにくい。景気対策として、効果的な予算の使い方とは言えまい。
財政は危機的だが、景気下支えの緊急措置として一定の国債増発もやむを得ない。増発による長期金利の上昇を防ぐために、日銀も国債買い入れの増額など、量的金融緩和の拡大で協調すべきだ。
財政出動だけで需要不足は穴埋めできない。企業が利益を上げ、それが従業員の給料や設備投資を増やす。そんな自律的成長を回復せねばならない。アジアなど外需の成長を取り込まないと、内需も頭打ちになる。
◆企業と家計を元気に◆
鳩山政権は、家計重視を掲げているが、企業を力づける政策は、あまりに手薄だ。
国際的に高い法人税実効税率の引き下げは、競争力強化のため、いずれ必要だろう。環境や省エネなど成長分野の研究・開発を後押しする施策も引き続き重要だ。
介護など高齢社会で伸びる事業の支援や規制緩和も新たな雇用を生み出す。
企業にも問題はある。いざなぎ景気を超えた長期好況で企業は巨額の利益を得たが、従業員への配分を抑えたため、消費は盛り上がりを欠いた。労働分配率を高め、内需の成長を後押しすれば、企業にもプラスになろう。
家計は、財政危機や医療、年金に対する不安から、過剰な貯蓄を抱えている。これも消費を冷やす要因である。社会保障費などの安定財源は消費税のほかにない。
景気回復後の消費税率引き上げを含め、財政再建計画を定めて将来不安を和らげるのも、広い意味での景気対策と言えよう。
与党内には、利子をゼロにするかわりに相続税を免除する「無利子非課税国債」構想もある。国は利払い負担なしで家計の“眠れる資金”を活用できる。経済立て直しに役立ててはどうか。
◆国家戦略を示すときだ◆
景気はよくなるか。医療、介護が安心して受けられるか。日米関係に亀裂は入らないか。
多くの国民が、こんな不安を胸に新年を迎えたに違いない。日本の将来に、期待よりも懸念、希望よりもあきらめを強く抱かせるような、政治の迷走、経済の停滞が続いているからだ。
主な原因は、鳩山連立政権が日本の平和と繁栄、安心社会を維持するための、中長期の国家戦略を欠くうえに、当面の針路すら国民に明示できないことにある。
国家戦略なき日本は、国際社会の荒波の中で孤立化し、やがては漂流することになろう。これでは困るのだ。
日本が進むべき道は何か。どんな国造りを目指すのか。新しい国家像をどう描くのか。危機を乗り越える具体的な処方箋(せん)とともに、骨太な国家戦略を示すこと、それが政治に課された責任である。
◆連立の弊害をただせ◆
鳩山政権の機能不全は、大きく言えばキャスチングボート政治、マニフェスト至上主義、官僚排除に由来する。
加えて、鳩山首相自身の献金問題だ。首相は進退を世論に委ねる意向を明らかにしたが、展開次第では政変に結びつく。日本政治が激動する可能性もあろう。
小所帯ながら参院で法案成否の鍵を握る社民、国民新両党が大勢力の民主党を振り回し、外交・安全保障や財政・経済運営の基本をゆがめる現状は看過できない。
象徴的事例が、米軍普天間飛行場移設問題の決着先送りだ。鳩山首相の優柔不断もさることながら、連立政権維持を優先する民主党の小沢幹事長らの思惑により、日米同盟の危機が指摘される事態になっている。
1955年の保守合同は、左右両派社会党の統一を目にした保守陣営の危機感から誕生したが、小党乱立の弊害を除くねらいもあった。
緒方竹虎(おがたたけとら)副総理が、小党のキャスチングボートは多数決政治の信頼を揺るがすと指摘、保守合同による「政局の安定は現下爛頭(らんとう)の急務」と強調したゆえんである。
55年体制には功罪あるが、日米同盟に基づいて日本の平和を確保し、自民党一党支配による政局の安定と、それに伴う経済成長の礎を築いたことは間違いない。
鳩山内閣はキャスチングボート政治からの脱却が迫られている。国の命運がかかり、国民生活の基盤が左右されるような重要政策・法案の成否に当たっては、野党とも提携する「部分連合」や、大胆な政界再編による「挙国政権」づくりをためらうべきではない。
◆日米基軸が国益に沿う◆
言うまでもなく、日米同盟は日本の安全保障の生命線だ。
核開発を続ける一方で体制保証と経済支援を強要する北朝鮮、軍事力増強を背景に経済権益の拡大を図る中国。
政治体制が異なる両国と一衣帯水の日本にとって、安全保障同盟を基軸とする良好な日米関係の維持は、国家戦略の基本に位置づけられなければならない。
それなのに、東アジア共同体構想を掲げ、米国離れを志向する鳩山首相の言動は極めて危うい。
主権国家として、日本が米国と対等な関係にあるのは自明だ。
しかし、安全保障に関して言えば、有事の際に米国が日本を守り、その代わりに日本が米軍に基地を提供する、という相互補完関係にある。日米安保体制が、戦後日本の「軽武装・経済優先」路線を可能にしたわけだ。
鳩山首相が言うように、米国依存を改め、対等な関係を目指すのなら、北朝鮮などの脅威に備えた自主防衛力の抜本的な強化が必須となる。
防衛費は膨張し、景気対策や社会保障に回すべき予算が圧迫される。さらに、日本の軍事力強化に対する周辺諸国の懸念を増幅させるだろう。
米国との同盟関係を薄めて、対等な関係を築くというのは、現実的な選択ではない。
一方で、日本が経済的に密接なつながりを持つ中国と、「戦略的互恵」関係の強化を進めるのは当然だ。北朝鮮の暴走に歯止めをかけるためにも、中国の協力は欠かせない。
しかし、それ以上に民主主義、人権尊重、思想・信条の自由という普遍的価値を共有するアメリカとの関係強化を、アジア・太平洋の平和と安定の基礎に置く視点が不可欠である。
◆非常時は大胆な政策を◆
家電、衣料、食品業界などで、コスト割れの安売り競争が横行している。消費者も、安く買えると喜んでばかりはいられない。弱肉強食、倒産・失業増加、賃下げ、デフレ悪化などの、負の側面を持つ危険な現象だからである。
デフレ脱却には、強力な指導力が不可欠だ。
昭和恐慌時の高橋是清(これきよ)蔵相、アメリカ大恐慌時のフランクリン・ルーズベルト大統領のように、不況脱出のためには強権発動も辞さず、の断固とした政治意思を市場に示す必要がある。
残念なことに、鳩山首相からは不況脱出にかける強力なメッセージが伝わってこない。マニフェストに固執する余り、政策の優先順位を決められず、右往左往しているからだ。
新年度予算編成作業でも、マニフェストの柱に掲げたガソリンの暫定税率廃止、子ども手当などを巡って迷走を続け、結局、民主党の小沢幹事長が仕切る形で決着した。政策は政府に一元化、という看板も羊頭狗肉(くにく)で、「党高政低」の現実には大きな不安が残る。
鳩山内閣は官僚との円滑な意思疎通を欠き、情報不足に陥っている。首相や閣僚が「裸の王様」では正しい政策判断はできない。官僚を忌避するのではなく、使いこなすのが政治家だろう。
◆社会保障を景気対策に◆
「コンクリートから人へ」というキャッチフレーズが独り歩きしている。危険なことだ。
公共事業は「土建国家」の悪玉施策と言わんばかりである。吟味は必要だが、地方が疲弊しているときに、即効性が高い公共事業の活用も大切だ。
安心社会づくりで肝心なのが医療、介護、福祉である。社会保障の充実は、安全網の整備に加え景気対策の効果も期待できる。
約600万人が従事する社会保障の分野は、少子高齢化により今後も拡大する。雇用を作り、生産を促し、カネを循環させる機能は、他産業と比べて見劣りしない、といわれている。
社会保障の財源として消費税率引き上げは避けて通れない。鳩山政権は凍結の封印を解き、景気回復後の税率引き上げに国民の理解を求めなければならない。
来年度予算では、大量の国債発行が不可避となった。国債費のうち約10兆円が利払いに充てられている。利払いの負担を軽減するため亀井金融相らが主張するように、無利子非課税国債を発行することも検討に値しよう。
金持ち優遇の批判も予想されるが、約30兆円のタンス預金を国債に吸い上げて活用できれば、景気対策に役立つではないか。
非常時には非常時なりの思考と行動が必要である。ローマ帝国の滅亡を早めた「パンとサーカス」の、大衆迎合的ばらまき・見せ物政治から一日も早く抜けださなければならない。
そうでなければ、眼下の危機を乗り越えることも、明日への責任を果たすこともできない。
新(あらた)しき 年の初の 初春の
今日(けふ)降る雪の いや重(し)け吉事(よごと)
(万葉集 大伴家持 759年作)
(新しい年は、初春の隆り続ける雪のように、重なり重なり降り積もって欲しい 良き事が)
*
「雪」は瑞兆(ずいちょう)と考えられていた
* 「いや」は「弥」(接頭) いよいよ・ますますの意
* 「しけ」は「頻く」の活用形、度重なるの意